原宿ファッション 流行の移り変わりとコーデ
原宿は、若者の流行の発祥地と言われます。特にファッションは、「カワイイ」というカルチャーが世界的にブームになるほど発信力を持っています。ここでは、原宿のファッションが世界的カルチャーになるまでの移り変わりと、今は何が流行っているのかを説明しながら、コーディネートや話題のショップなどを紹介します。
原宿ファッションの過去と現在
<60年〜70年代>原宿族・アンノン族
東京オリンピックの開催以降、ワシントンハイツの場所に選手村が建設されたことをきっかけに、外国文化がどんどん流入してきました。それに影響された若者たちによって「原宿族」が登場します。
70年代後半にファッションビルとして「ラフォーレ原宿」がオープンし、同時期にはファッション誌「アンアン」や「non-no」が創刊します。それらにおしゃれの中心として原宿が紹介されたことにより、雑誌に掲載されたファッションに影響された「アンノン族」が登場しました。このころから、ファッションの発祥地として原宿が取り上げられ始めました。
<80年代>竹の子族・カラス族・パンクロック
77年には代々木公園から青山通りまでの約2kmがホコ天として設定され、若者カルチャーの多くはここからスタートしました。80年代前半には「竹の子族」が登場します。原宿にあった洋服店「ブティック竹の子」で購入した派手な洋服を着て、ラジカセを囲みながらホコ天を踊り歩いていました。チームごとに衣装は異なり、性別問わずメイクもしていました。
そして、その後DCブランドが登場し、黒ずくめのファッションに身を包んだ「カラス族」が流行します。黒=喪というイメージを取り払い、ファッションカラーの一つとして定着したのもこれがきっかけです。
その後、80年代後半にはロンドン発祥のパンク・ロックブームが日本に上陸しました。これは現代のゴスロリファッションの元とされます。
<90年代>デコラ・ロリータ
「デコラ」の語源は「デコラティブ(装飾)」から来ていると言われており、チープな装飾を好んだファッションです。とにかく派手に装飾するのが流行し、「ゴミ盛り」と呼ばれる、ヘアアクセサリーを大量につけたヘアスタイルで原宿を歩く姿がとても特徴的でした。
一方で、フランスのロココ調や、マリーアントワネットに憧れた「ロリータ」ファッションが登場しました。このスタイルは、世界中にファンがいて、今でもお茶会などのイベントが開催されているほどです。
<2000年代>森ガール・ハデコ・フェアリー系
当時、国内最大のSNSだった「mixi」がきっかけで、森ににそうな雰囲気の女性「森ガール」がブームになりました。ナチュラルやリラックスがスタイルのキーワードで、ロングスカートやワンピース、かぎ編みベストを着て、カメラを持つ女性が急増しました。
森ガールとは正反対のファッションとして「ハデコ」も登場します。全身古着を身にまとい、頭にはウィッグを付けるド派手なスタイルは、古着屋さんの集まる原宿にはピッタリかです。
もう一つ、2000年代に流行したのが、妖精をイメージしたパステルカラーや透け感が特徴のフェアリー系も登場しました。これは、最近の原宿ファッションでもみられる「ゆめかわいい」や「病みかわいい」につながるものもあるでしょう。
<2010年代>渋原系・ネオコス・白塗り・ネオストリート
原宿と渋谷は距離で言えば1km程度にもかかわらず、これまでファッションはしっかり棲みわけとされていましたが、ついにこの二つが融合します。Tシャツにジーンズといったカジュアルな原宿ファッションに、メイクはしっかりギャルメイクの「渋原系」スタイルが誕生しました。
また、アニメやメイドのような、アキバ系の要素ともミックスした「ネオコス」も登場します。ファッションとコスプレが融合したファッションのため、2.5次元やオタクガーリーとも呼ばれていました。また、顔を真っ白に塗ったスタイルも登場。服装は、黒一色からカラフルなスタイルまで様々です。
サイバー・ギャル・アニメ・ヒップホップなど、2010年以降に登場したスタイルの要素が混在して「ネオストリート」が登場し、カラフルな編み込みヘアなどは、他のファッションジャンルにも浸透しています。
現在の原宿ファッション 2017年のトレンドは?
歴史を見てもわかるように、原宿のファッションは目まぐるしく変化しています。最近では、その独特の変化が「カワイイ」というカルチャーの一つとして、海外セレブ達も、こぞって原宿ファッションを取り入れるなど世界的にも確立されてきています。ここからは、2017年現在のマストアイテムをみてみましょう。