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魚に痛覚神経はある?ない?魚の痛覚と痛点の場所

Author nopic iconsatoukana
カテゴリ:雑学

更新日:2020年08月29日

魚に痛覚神経はある?ない?魚の痛覚と痛点の場所

魚に痛覚神経はある?ない?

「魚に痛覚はない」というのは、かつて定説でした。確たる証拠はないものの、「魚のような下等な生物が痛みを感じるはずがない」という人間至上主義的な断定や、痛覚や痛みに対する反応が見られないという意見もあり、長年に渡り、この説が支持されてきました。

しかし、その定説が崩れつつあります。最近の研究によれば、魚にも痛覚受容体が確認され、したがって痛覚は存在するとの研究結果が報告されています。

痛覚「ない」説

魚に痛覚が「ない」ことを証明した研究はないと言われます。痛みを感じるかどうかは、医学的な見地、痛覚受容体の有無、そして魚の意識にまで踏み込まなければ証明できないと言われますが、魚に痛覚がないという説では、主に観察から結論を引きだしているといえるでしょう。

例えば、人間においては痛みのあまり失神するとか、痛みを避けようとするなどの行動が見られますが、魚にはそれが見られないため、痛覚がないのではないかと推測できるという論法になります。これは、魚釣りをする人では経験があることでしょう。

魚は痛みを感じるはずの針を引っ張る方向に逃げるという行動を取りますし、また、痛みのあまり魚が失神したという光景は見たことがないでしょう。しかし、だからといって痛覚がないとは言い切れないのではないか、というのが現在の見解の主流になっています。

一方、魚には大脳新皮質が少ない、ゆえに魚は感情や情動を処理する能力が無く、したがって痛みを感じることがないという説もあります。これは、痛覚があるとする学者の「痛覚受容体は人間に比べて少ない(が痛みを感じる)」という説とも考え方が似ているともいえ、この場合、痛覚はあるが、どの程度痛みを感じるかという程度の問題になるとも言えるでしょう。

痛覚「ある」説

では、魚に痛覚があるという根拠はどのようなものでしょうか。ある研究によると、ニジマスの頭部にマーカーを付け、痛みを感じるであろう熱による刺激などを加えたところ、著しい神経活動と行動の変化が見られたということです。この実験により、ニジマスには痛みを感じる痛覚受容体およびそれに付随する神経回路が存在すると断定しております。

また、魚には表情筋がないため認識しにくいものの、痛みにたいする行動、すなわち組織の損傷に対する反応は、哺乳類と比較してもさほど変わらないと述べています。少なくとも顔および頭部には58か所の痛みの受容体を確認したとエディンバラ大学、ロスリン研究所の研究チームは発表しています。

学者達かく語りき

先ほどご紹介した、エディンバラ大学、ロスリン研究所の研究の記事を紹介します。

魚は痛みを感じるか?

「魚は痛みを感じるか?」というタイトルどおり、今回の記事のテーマに真正面から取り組んだ本をご紹介します。著者は魚類学者でもあり、同じくニジマスを対象に研究成果を発表しています。また、痛みを感じるとはどういうことなのかなど、意識の領域に踏み込んで掘り下げているので、多角的に「痛み」のテーマについて考えることができるでしょう。

また、著者は科学者らしく「少なくともニジマスは」痛みを感じるとしています。しかし、著者の結論を信じるならば、常識的には魚全般に痛みがあると考えざるを得ないでしょう。

魚の痛点と痛覚

それでは改めて、先ほどご紹介したエディンバラ大学、ロスリン研究所の研究をさらに深く掘り下げていきます。

顔や頭の上には「侵害受容器」があった!

58か所のうち22か所は侵害受容器として分類できると研究チームは述べています。すなわち、摂氏40℃の熱をニジマスに加えたところ、22か所が組織への侵害としてこれを検知したと言えるということです。

ヒトにもある「ポリモーダル受容器」もあった!

ポリモーダル受容器は、爬虫類・鳥類・ヒトが持っている原始的な感覚受容体の名称です。この感覚需要帯があることにより、先ほどの熱などによる「機械的刺激」といわれる刺激に対して痛みを感じたり、化学物質など体に有害な影響を与える刺激に対して反応をします。ポリモーダル受容器も侵害受容器の一種ですが、非侵害レベルにまで反応できる特徴があります。

このポリモーダル受容器の存在が魚にあるかどうかを確認するために、ニジマスに酸を注入したところ、ニジマスは水槽に唇を擦りつけるなどの行動を見せました。これは痛みに対する単なる「反射」ではなく、痛みを逃れるために行う「反応」であると研究チームは結論付けました。したがって、少なくとニジマスにはポリモーダル受容器があるということになります。

痛みとはなんであるか?

人間が痛みを感じるプロセスをここで改めて確認しておきましょう。例えば、あたたが庭を歩いていると、美しいバラがあり思わず手を伸ばしたとします。すると「チクリ」と指先に痛みが走り、あなたは「痛い」といって手を引きます。この間に、何が起きたのでしょうか。

痛みが伝わるプロセス

初回公開日:2017年11月04日

記載されている内容は2017年11月04日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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