「子供」と「子ども」の違いとは
あなたは、自分のお子さんや他人のお子さんについて表すときに「子供」「子ども」どちらの表記を使いますか。普段何気なく使用している「こども」という表記ですが、この「こども」の表記について色々と議論されているのはご存知でしょうか。
今回は、この「こども」の表記について、どうして使い分けられるようになったか、「こども」と書くときにはどの字を使用すればよいのかについてお伝えします。
表記の違いについて
一般的に学校では、漢字で「子供」として習ってきましたが、最近では、「子ども」と漢字と平仮名を混ぜて使用する「交ぜ書き」での表記を多く見るようになりました。お子さんをお持ちの方は、さまざまなところで「こども」の表記が違うのを目にしていることでしょう。
「子ども・子育て支援」「子ども手当」など行政や教育機関では「子ども」と表記しています。また、5月5日の「こどもの日」、幼稚園と保育園の両方を兼ねる「認定こども園」などは、平仮名を使用しています。どうしてこのように「こども」について色々と表記が異なるのでしょうか。
「子供」は差別表記
一般社会で目安となる漢字の用法の基準として「常用漢字表」がありますが、そこでは、「子供」と表記されています。それなのに現在では「子ども」という表記が多くなっているのは、「子供」が差別的意味合いを持っているという考えからです。
その理由は「供」という漢字が意味する「従うこと」つまり、「子供は大人のお供をする(従属する)存在である」ということがイメージされるため、子どもの人権に配慮していない差別的な表現であるという指摘があったためです。そのため、教育現場で「子供」という表記が使用されないのは、国連の児童憲章の「子どもの人権尊重」の影響があります。
「子ども」という表記について
「子供」という漢字が差別表記に当たるという理由の他に、漢字で「子供」と表記するとかたいイメージがあるために、柔らかいイメージがある「子ども」という表記をあえて使用している場合もあります。
しかし、「子ども」という表記は、本来なら漢字で書けるものをあえて平仮名を使用して表記してるという「交ぜ書き」の問題があるとして、一部では使用するべきではないとされています。
「交ぜ書き」とは
「交ぜ書き」とは、漢字で書けるものの一部分に仮名を交ぜて書くことを言います。この「交ぜ書き」は、文脈によっては読み取りにくかったり、語の意味を把握しにくかったりするために、「交ぜ書き」の使用は議論されています。
「交ぜ書き」は戦後,「当用漢字表」(昭和21年)が定められたことに伴い,使える漢字を制限したことが始まりです。挽回を「ばん回」、「憂鬱」を「憂うつ」、「補填」を「補てん」などもともと感じで書いていた熟語の一部を平仮名にして表記しています。
しかし、本来は、熟語が漢字であることで意味が把握しやすかったり、文脈の流れをよくすることもあったが、「交ぜ書き」になるとかえって読みにくくなる場合も多くなります。
文部科学省での規定
文部科学省の公文書では、常用漢字を使うのが原則になっていいますが、「こども」については、漢字の「子供」では、「供」という字が「お供え物」「お供する」などを連想させ、差別的な印象を与えるという理由から「子ども」が使用されていました。
しかし、下村博文文部科学省大臣が、2013年に省内の公用文書の「こども」の表記を漢字書きの「子供」に統一することを決めました。下村大臣は、「子供」表記に対する差別的意味合い(大人の「お供)のような否定的意味)はないと判断して、7月刊行の文部科学白書では語句を「子供」に統一しています。
決定の背景には「交ぜ書き」の廃止への問題が影響しています。現在では、文部科学省内では、固有名詞以外は「子供」で統一されていますが、他の機関やメディアでの表記は、「子供」「子ども」の両方が使用されています。
「子供」表記に差別的意味合いはない
「こども」の表記については諸説ありますが、多くの見解では、「こども」の語は、「こ」に複数を表す接尾語「ども」がついたとされています。そのため、「子等」「子共」「児供」などさまざまな表記がされていましたが、明治以降に現在の「子供」に統一されています。
これらの「子供」への表記の経緯から「供」は当て字ると考えられ、特段意味を有するものではないと判断されます。
「子供」「子ども」「こども」の使い分け方法
「子供」「子ども」「こども」といろいろな表記がありますが、実際にはどのように使い分けるのが良いのでしょうか。
「子供」という表記を使う場合
公文書などは「子供」表記を使う方が良いです。しかし、以前までは「子ども」表記を勧めていたために、法律などの固有名詞が「子ども支援」など漢字と平仮名の「交ぜ書き」表記になっているので、厳密に「子供」表記が統一されていることはありません。
また、日本語の本来の意味として「交ぜ書き」表記に対して違和感を感じている場合は、この「子供」表記を使用しています。さらに、「子供」という熟語は小学6年生で習います。「子」は1年生、「供」は6年生です。6年生以上のお子さんを持つ方の場合は、学校で習う「子供」を使用するのか良いでしょう。
「子ども」という表記を使う場合
以前の流れから、「子ども」の表記はとても多いです。特に教育関係機関では、児童憲章の子どもへの人権尊重の理念から「子ども」との表記に統一しているところもあります。そのため、教員試験などでは、「子ども」表記になっています。「子ども」表記は、漢字表記よりも柔らかいイメージがありますので、多くの場所で使用されています。
「こども」という表記を使う場合
「子供」「子ども」表記に比べると、一般的に「こども」という表記は少なくなります。しかし、就学前のお子さんがいらっしゃる方や幼稚園・保育園などでは「こども」が使用されています。
「子供」「子ども」履歴書にはどちらを書くべき
初回公開日:2018年01月11日
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