「恒常的」はどう読む?
何らかの文書でよく見かける言葉の1つに「恒常的」というものがあります。特に、データ関係や前向きな目標に対してよく見かけるという方が多いのではないでしょうか。
そもそも、この「恒常的」という言葉については読み方を知らない方もいるでしょう。まず、ここでは「恒常的」の読みについて見ていきます。
「恒常的」は「こうじょうてき」と読み、「恒」の音読みである「こう」と、「常」の音読みである「じょう」というように両方とも音読みです。さらに、状態を示す「的」が加わってできた言葉といえます。ちなみに、「恒」も「常」も訓読みでは「つね」です。
「恒常的」の意味と使い方はどのようなもの?
それでは、「恒常的」にはどのような意味があって、どう使えば良いのでしょうか。
「恒常的」の意味として、まず「恒常」は「一定で変化がないこと」を意味します。そして、先ほども見たように状態を意味する「的」が後ろに付くため、「一定で変化のないさま」を表す言葉です。さらに、何らかの状態や行動がずっと続いていることも指します。
「恒」も「常」も訓読みでは「つね」と読むのは先ほども触れましたが、どちらも「いつも」や「変わらない」という意味のある言葉です。このため、2つの字が一緒に使われることで「いつも」や「変わらない」という意味合いがより強くなります。
以下の項目では「恒常的」の使われる例として見かけやすい2つの言葉を紹介していきますので、「恒常的」の意味についてより理解を深めていきましょう。
「恒常的所得」
「恒常的所得」とは、そのまま考えれば「一定の変わらない所得」という意味になります。少し言い換えてみますと、「毎月や毎年など決まった時期に入ってくる一定の所得」といえるでしょう。
とはいえ、実社会の例で考えると、恒常的所得の例としては正社員や派遣社員、パート・アルバイトのように月の決まった日(毎月25日など)に入ってくるような仕事が挙げられます。
また、フリーランスのような一見不安定に見えるような仕事でも、クライアントと契約していれば所得が入ってくる日が一定の場合もあるため、このような場合も恒常的所得といえるでしょう。
「恒常的な雇用関係」
一方、仕事関係で「恒常的」を示す例として「恒常的な雇用関係」というものも挙げられます。こちらもまた「一定で変わらない雇用関係」という意味です。
実社会で考えてみますと、上記の「恒常的所得」に比べると範囲は狭まってくるといえます。一定で変わらない雇用関係とは「一度雇用されると、比較的長期にわたって結ぶような関係」というイメージがあるためです。このため、「恒常的な雇用関係」のわかりやすい例として正社員が挙げられます。
「恒常的」の対義語や反対語とは?
それでは、「恒常的」という言葉の対義語や反対語としてどのような言葉が挙げられるのでしょうか。ここでは、「恒常的」の対義語や反対語を見ていくことで、より「恒常的」という語に対する理解を深めていきましょう。
「一時的」
「恒常的」の対義語としてよく取り上げられるのが「一時的」です。「恒常的」という言葉そのものが「変わらない」や「いつも」という意味があることから、同じような状態がずっと続くニュアンスがあります。
このため、「恒常的」の反対の言葉としては、あるタイミングで変わるという意味が含まれている「一時的」という言葉が挙げられるでしょう。
「短期的」
また、「恒常的」は同じような状態が比較的長い間続くことから、「長期的」という意味合いも含まれることが多いです。このため、「恒常的」の反対の意味を持つ言葉として、「短期的」も挙げられる場合が少なくありません。
「恒常的」の類語にはどのようなものがある?
今度は「恒常的」という言葉にはどのような類語があるのかについてを見ていきましょう。ポイントは、「恒常的」の意味が「変わらない」や「一定の」という点があるということです。
「安定」
「恒常的」の類語としてよく挙げられるものに「安定」があります。「安定」は、一般的には「物事が落ち着いた状況にあって、あまり変化しないさま」という意味を持つ言葉です。
同時に、あまり変化しない意味があることから、「安定」もまた「長期的」というニュアンスがあります。このため、「恒常的」という言葉の類語の代表格といえるでしょう。
「平常」
また、「平常」という言葉も「恒常的」の類語の1つとしてよく挙げられます。「平常」にも「いつも同じ状態」という意味があることから、「変化がないこと」や「一定であること」を意味する「恒常的」と同じ意味を持つ言葉の典型といえるでしょう。
なお、「平常」には「異常がない」という意味があることから、「普通に滞りのない状態」もありますが、「恒常的」にはここまでの意味がないため、この点で違いがあるといえるでしょう。