お花摘みに行くとはどんな意味か
「お花摘みに行く」というのは、トイレに行くことを遠まわしに表現した言葉です。直接的な表現を避けることで、周囲にトイレに行くことを想像させずにその場を離れることができます。
因みに、お花摘みに行くというのは女性限定の言葉ですから、男性は使わないように注意してください。
使う場面
「お花摘みに行く」は、飲食を伴う場所や目上の方が多い会合などで、周囲にトイレに行くことを悟られたくない場合に使うと良いでしょう。
そっと抜け出せれば問題はないのですが、ひと言声をかけてからでなければ席を離れられな場合もあります。特に食事を伴うパーティーや会合の場合、直接的な表現では場の雰囲気を壊しかねません。なるべくトイレを連想させないような表現をするのがベストです。
言葉の由来
「お花摘みに行く」はもともとは登山用語で、女性が用を足す姿がお花を摘む姿に似ていたからだといわれています。確かに、用を足す際もお花を摘む際も深くしゃがみこみますから、遠目には同じ姿に見えます。
理由を知ると、この言葉が女性限定の表現なのも納得できるのではないでしょうか。
この言葉を使うとどんな効果があるのか
トイレに行くことを連想させない言葉遣いから、周囲に気配りができる女性だと思われるでしょう。また、お花摘みという言葉には愛らしく女性らしい響きがあるので、相手に清楚で上品な雰囲気を与えます。
人の印象を決めるのは見た目だけではありません。言葉遣いも重要なポイントになります。友達同士なら明け透けに「ちょっとトイレに行ってくるね」でも構いませんが、目上の方や初対面の方が集う場では注意が必要です。
お花摘みに行くと似た意味の言葉5つ
トイレに行くことを表した言葉は、お花摘み以外にもたくさんあります。いろいろな表現を知っていれば、場に合わせた使い方ができますし、相手から「お花摘みに行ってきます」と言われた際にも驚かずにスマートな対応ができます。
ここでは、現在よく使われている表現だけではなく、古風な表現なども含め5パターンをご紹介しています。ぜひ参考にして、いろいろな表現を身につけてください。
1:化粧を直す
トイレに行くことを、「化粧を直す」と表現する場合があります。トイレには鏡があるので、用を足すという本来の用向きに使うだけではなく、化粧や髪型を直すためにも使用します。そのため、化粧を直すことがトイレに行くことと同じ意味で使われるようになったといわれています。
最近では、パウダールームが併設されているトイレもあるので、「化粧を直してきます」と言いやすいのではないでしょうか。
2:手を洗いに行く
トイレに行くことを「手を洗いに行く」と表現する場合があります。トイレの後は必ず手を洗うことから、この表現になったといわれています。ですから、トイレ自体を「お手洗い」と表現する方も多くいます。
化粧を直すという表現は女性しか使うことができませんが、手を洗うという言い方であれば男女共通で使用できます。男性の方も上司など目上の方と一緒の際には、トイレと言うよりも丁寧な言い方をした方が印象が良いでしょう。
3:用を済ませに行く
トイレに行くことを「用を済ませに行く」とも言います。この場合の用とは、しなければならない仕事、または事柄です。つまり、トイレに行くことを、しなければならない仕事に置き換えて表現しています。似た表現に「用を足してきます」というのもあります。
4:ご不浄に行く
トイレに行くことを「ご不浄(ふじょう)に行く」と表現する場合があります。不浄とはトイレの丁寧な言い方で、主に上流階級の女性が使っていました。
古風な言い回しですが、トイレを連想しにくく上品な雰囲気があるので、年配の方だけではなく若い方の中にも好んで使う方がいます。
5:手水に行く
トイレに行くことを「手水(ちょうず)に行く」と表現する場合があります。そもそも手水というのは、神社などにある参拝前に手を清めるための水のことです。トイレに行った後にも必ず手を洗うことから、手水に行くという言い回しを使うようになったといわれています。
トイレという言葉さえもなかった時代、直接的な言葉を避けながらやんわりと伝えるための工夫が、「ご不浄」や「お手水」に表れています。