腕時計をつける位置に決まりはある?
腕時計をつける位置に決まりがあるかといわれると、実は厳密なルールはありません。使い勝手を考えて、自分の好きな位置につければいいとも言えます。ただビジネスシーンでスーツを着た時の相応しいバランスや、冠婚葬祭での相応しいマナーなどある程度の決め事はあります。
腕時計をつける位置には、歴史やファッション史の流れも背景にあります。ここでは腕時計の系統や男女別、またシーン別に腕時計をつける位置のおすすめをご紹介していきます。ファッションやマナーに合わせて相応しいつけ方を、ぜひ学んでください。
腕時計をつける位置は左腕?
腕時計ができる前は、身につける時計といえば懐中時計でした。腕時計は、戦争中に兵士がいちいちポケットから時計を取り出す手間を省くために考えられたと言われています。その時に銃を構えながら時間を確認するため、利き手の反対につけるようになったのが始まりです。
現在に至っては文字を書いたりいろいろな作業をするのに、利き手ではない方に腕時計をつけるのが実用的です。世界的に見ても利き手は右が多いことから、腕時計も利き手の反対である左腕につけることを基本に作られています。
そう考えると、腕時計をつける位置の考えのひとつとしては、決まり事ではありませんが左腕がおすすめということになります。腕時計が日常の行動の邪魔にならず、効率のいい使い方をできる位置が利き手、つまり左腕ということです。
腕時計を利き手の右腕につけている人は
腕時計の位置を利き手の右腕にしている人もいます。それは何らかのメッセージを込めていたり、右腕の位置の方がその人にとっていいと言える理由がある場合です。その理由をいくつか紹介します。
ひとつは平和へのメッセージです。腕時計は戦時に銃を持つ手と反対の位置につけ、瞬時に時間を見られるように考えられました。そのため利き手の位置に腕時計をつけることは効率よく銃を構えられない、つまり戦うのに不利な状況であることを平和の象徴と結びつけています。
また相手の邪魔にならないように、というのもあります。人が隣り合っている時に、右側の人が左腕の位置に腕時計をしていると当たってしまいます。それを避けるためにあえて右腕の位置につけるということです。
もちろんファッションや、利き手の方がしっくりくるという理由で右手の人もいます。腕時計をつける位置は、その人にとっての理由や意味があるということです。
腕時計の用途別:つける位置のおすすめ
腕時計には時間の文字盤だけのシンプルなものや、クロノグラフなどいろいろな機能のついたダイバーズウォッチ、装飾品感覚のジュエリーウォッチなど機能性や目的によって多種多様です。ここでは腕時計の機能や種類別に、おすすめのつける位置を紹介していきます。
一般的な腕時計の場合
腕時計をつける位置としては、利き手の反対の腕の手首が基本となります。右利きであれば左腕の手首、左利きであれば右腕の手首です。文字盤は手の甲側の位置でつけるのが一般的です。
利き手の反対につけるのは、字を書く時や作業をする時に邪魔にならない位置だからです。良く使う利き手だと頻繁に動かすため衝撃を与えやすいとか、リューズの操作が利き手の方が行いやすいということもあります。
腕時計をつける位置は手首のあたりになりますが、手首の骨の隆起部分より腕側につけることが多いでしょう。細いベルトであれば骨の隆起部分より手の甲側でもつけられますが、ベルトが太いと手首を動かす時に動かしにくくなるためです。
機能性による腕時計の位置
腕時計の機能によって、つける位置を変えることもあります。ダイバーズウォッチは潜水向きの多機能な腕時計です。ダイバーは左手にコンパスをつけるので、腕時計の位置は必然的に右手になります。
腕時計のリューズは文字盤の右側についています。ダイバーズウォッチに限らず、文字盤が大きい腕時計はリューズが手の甲に当たります。その煩わしさから腕時計の位置を右手にする人もいます。
自動巻きの腕時計は利き手の位置につけた方が運動量が多く、確実に巻くために利き手につける方がいいとも言われています。またシフトレバーのあるマニュアル車を運転する人は、シフトレバーに当たらないよう右手につけるケースもあります。
見た目重視の時計の場合
バングルやブレスレット風にアクセサリー感覚でつける腕時計の場合は、見せる位置でのつけ方がおすすめです。実用性というよりは、実用も兼ねたファッション感覚でしょう。その腕時計をどのように見せたいかで、つける位置も変わります。
腕時計をアクセサリーの一部として、リングや他のブレスレットなどとバランスを考慮したつけ方をします。その場合は利き手関係なく、おしゃれに見える側につけるのが正解でしょう。文字盤の向きもそれによって変わります。
デザイン性のある文字盤を見せたい場合は、身体の外側である手の甲側の位置につけます。腕時計だけどブレスレットのように見せたい場合は、身体の内側である手の平側に文字盤がくるようにつけます。
見せる腕時計のつけ方としては、長袖の衣服の上に腕時計をつけることもあります。腕時計は手首に直接まくのが基本ですが、見せるためにわざと衣服の上にするつけ方です。
男女別:腕時計をつける位置のおすすめ
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男女別でも腕時計をつける位置の違いがあります。衣服による違いや、行動による違いによって腕時計をつける位置が変わります。これは立ち居振る舞いのマナーに通じるところもあります。
最近はユニセックスと言われる男性用女性用との区別のないデザインも多くありますが、男女別のつける位置の違いは腕時計のデザインというよりは、立ち居振る舞いに左右されるところが多いでしょう。ここでは、その背景も含めてご紹介していきます。
男性におすすめの腕時計をつける位置
男性用の腕時計は、実用性や機能性も含めた見栄えに格好よさを求めたデザインが多くあります。そのためリューズのほかにプッシュボタンがついていたり、ベゼルがついているダイバーズウォッチなどは本体のサイズが大きくなります。
一般的に男性は利き手が右手だと、反対の左手の手首の位置に腕時計をつけます。文字盤は手の甲側に向くようにします。ただデザインによってリューズやプッシュボタンが手首にあたるのが気になる人は、あえて右手首につけます。
男性に多い趣味として腕時計や車があげられますが、電池式ではなく自動巻きの腕時計の場合は動かすためにわざと利き手につけます。シフトレバーのマニュアル車であれば、操作の邪魔にならない右手につけます。
手首の骨の隆起部分に引っかかるように腕時計をつけ、手先にずれたり抜けたりしないようにします。ジャケットやシャツの袖口から少し見えるくらいが、腕時計をつける位置としておすすめです。
女性におすすめの腕時計をつける位置
女性用の腕時計はベルトが細く文字盤も小さいものから、メンズ風に大き目の作りのものまで幅広くあります。女性は男性と比べ、実用性や機能性よりファッション性や立ち居振る舞いを重視した腕時計のつけ方になります。
現在では、女性も利き手の反対の手に文字盤を外側につけます。しかし、かつては女性の腕時計のつけ方としては、文字盤を内側である手の平側につけることが一般的でした。それはマナーとしての女性らしさや衣服の機能と関係があります。